こんにちは。“ころは”店主のミキです。
今週の月曜日から、いよいよ開始されたNHKの連続テレビ小説「スカーレット」。
見ている方はご存知の通り、信楽の女性陶芸作家のお話です。
タイトルの「スカーレット」って、緋色(ひいろ)のことだそうですね。
緋色は、伝統的に炎の色とされ、黄色味のある鮮やかな赤。
緋=火に通じ、陶芸作品に表れる理想の色のひとつである。
主人公の生業(なりわい)である陶芸では、窯をたく炎が勝負。
熱く燃えるような、情熱的な人生につながる。
と、ホームページでも紹介されていました。
当店としても、お世話になっている滋賀の陶芸作家さんもいらっしゃるので、とても興味深いドラマです。
スカーレットの舞台である信楽ですが。
皆さんは信楽がどんな地域で、どの様な焼き物が盛んなのかご存知ですか?
それでは、今回は信楽についてご紹介させて頂きます。
信楽焼は、滋賀県甲賀市信楽町で焼かれている焼き物のことです。
ドラマでも最初に登場していた、タヌキの焼き物が有名な産地です。
町の至る所に、色々な形のタヌキの焼き物があるので、とても面白いですよ!
っと、ついついタヌキの焼き物が連想されがちの信楽なのですが、
日本六古窯(にほんろっこよう)のひとつと言われる、陶器の名産地になります。
※日本六古窯は、古来の陶磁器窯のうち、中世から現在まで生産が続く代表的な6つの産地(信楽・丹波・越前・瀬戸・常滑・備前)の総称。
漉さずに使う信楽の陶土は、独特な土味で、焼成すると温かい色合いが出てくるのが魅力です。
焼き締めると、赤い肌に土中の長石などが白く浮き出てきます。
焼締については、「【うつわの基礎知識】やきものってどんな種類があるの??」を参照ください。
この飾らぬ美しさが茶人の目にとまり、桃山期には一世を風靡していきます。
それまでは農家の道具だったものが、花入れや水指といった茶道具として人気を博していくんですね。
ドラマでも信楽の土について取り上げられていましたが。
信楽の土は、黒い木節粘土(きぶしねんど)や白い蛙目粘土(がいろねんど)など、耐火力や保温力に優れた良質の粘土が豊富です。
そのため、原土を粉砕してそのまま焼き締める自然の美しさが人気です。
その自然の美しさに引かれ、昔も今も多くの作家さんたちが信楽の土を取り寄せて作陶しているんですね。
町の至る所に点在している、とぼけた表情のタヌキの置物ですが。
タヌキは「た=他」「ぬき=抜く」ということで「他を抜く」という意味があります。
そのため、商売繁盛、招福、金運UP、開運など、縁起が良いものと考えられています。
なぜ信楽がこれほどまでにタヌキの置物が名産になったのかご存知ですか?
京都の陶芸作家の藤原銕造(ふじわらてつぞう)「※号は狸庵」が、
昭和10年ごろ信楽に転居して本格的にタヌキ像を制作し始めてから、信楽の顔となったそうです。
その後、昭和26年に昭和天皇が信楽を訪問した際に、旗を持ったタヌキの置物が沿道に並んでお迎えしたそう。
昭和天皇がたいへん感激なされたエピソードをマスコミが取り上げ、信楽のタヌキが有名になったという歴史があるんですね。
いかがでしたか?
今回は信楽焼についてでした。
ドラマも始まり、これからもっと信楽焼が注目されそうですね。
【ころはオンラインストア】
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