こんにちは。ころは店主のミキです。
今回のコラムは、“【うつわの基礎知識】やきものって何?”の続きになります。
前回は、やきものは「土」と「焼く温度」で表情が変わっていくという話をしました。
それでは、どんな種類があって、製作工程の中でどの様な違いがあるのかをご紹介致します。
“やきもの”についての名称で、皆さんがよく耳にする名前は、
「陶器」「磁器」「焼締(炻器)」「土器」
ではないでしょうか?
陶磁器という名称もありますが、これは“やきもの”の総称になります。
「陶器」は「土もの」と呼ばれ、陶土によって作られています。
わずかに吸水性があり、光を透過させないという特徴を持っています。
土や釉が豊かで、様々な表情のやきものがあります。
「磁器」は「石もの」と呼ばれています。
陶石と呼ばれる原料を砕き、粘土にしたもので作ります。
白色やそれに近い色をしており、吸水性がなく、透光性がありガラスに近い組成です。
丈夫で扱いやすい磁器は、皆さんの家庭でも使われることが多いのではないでしょうか?
陶器と磁器、その中間的な性質を持つのが「焼締」です。
陶器のように吸水性はありませんが、鉄分やほかの金属が多く含まれている粘土で作られています。
そのため、茶褐色のものが多く、磁器のように透光性はありません。
炻器、半磁器とも呼ばれています。
「土器」は、いわゆる素焼きの状態のやきものです。
土を練り固めて成形し、焼き固めて作ります。
吸水性が高く、透光性もありません。
縄文時代から作られている土器は、学校の教科書などでも勉強されたのではないでしょうか?
素焼きの状態の現在のやきものといえば、レンガや瓦などがあります。
〇 陶器
・粘土がおもな材料
・吸水性がある(すきまが多い)
低温で焼くために粒子の隙間が埋まらず、生地が焼き締まっていないのが原因
・透光性がない
・素焼と施釉の後、1100~1300度ぐらいで本焼きをする
・手びねり、ひもづくり、たたらづくり、型づくり、ろくろ成形などで成形をする
・土の色や釉で表情をつくることが多い
〇 磁器
・陶石に粘土や石灰などを混ぜたものが材料
・吸水性がない(すきまが少ない)
・透光性がある
・素焼と施釉の後、1200~1400度ぐらいで本焼きをする
・ろくろ成形、型づくり、鋳込みなどで成形をする
・下絵付(染付や鉄絵)や、上絵付(色絵)で彩色をする
〇 焼締
・アルカリや鉄を多くふくむ粘土が材料
・吸水性がない(すきまが少ない)
・透光性がない
・釉、素焼きなしで1200~1300度で長時間かけて焼く
・ろくろ成形、たたらづくりなどで成形をする
・窯の中で生じる窯変が見どころ
〇 土器
・粘土が材料
・すきまが多く、水漏れしやすい
・700~900度で素焼きして完成
・ひもづくり、ろくろ成形などで成形をする
・ヘラや縄で素地に装飾をする
いかがでしたか?「土」と「焼く温度」の違いだけでこんなに違いがあるんですね。
私たちが日常的に使っているやきものですが、その特徴を知ると使うのが楽しくなりますね。
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