こんにちは。“ころは”店主のミキです。
「たわし」
と言われて、すぐに思い浮かぶのは
“茶色でイガイガ楕円形”の、見慣れた“あれ”
じゃないでしょうか。
とは言え、
「あんまり使ったことがないな」
と同時に思った方も、多いのではないでしょうか。
見慣れているのに、いま一つ日常に馴染んでいないたわし。
たわしの素材は幾つかありますが、
今回は、
“棕櫚(しゅろ)製たわしの「これ、使ってみたい!」なポイント”を
沢山お伝えできれば、と思っています。
ヤシ科シュロ属の常緑樹の総称で、日本の暖地で広く見られる植物です。
木の幹に巻き付いている皮の繊維が、たわしを始めとした道具の原料として、古くから利用されています。
かつては、紀州(和歌山)の重要な産物で、「棕櫚(しゅろ)製品」の産業が盛んでした。
ところが、明治の後半、国内での「棕櫚(しゅろ)製品」の需要が急激に高まり、棕櫚(しゅろ)が不足すると、原料は主に輸入品で安価な「パーム(椰子の実の繊維)」に変わり始めたのです。
そうしたことで、国内で棕櫚(しゅろ)を手入れする農家が減り、棕櫚(しゅろ)山も少なくなりました。
現在では、和歌山海南市において、伝統の棕櫚(しゅろ)産業を守るための取り組みが行われています。
当店で取扱う棕櫚(しゅろ)製品の製造会社である【髙田耕造商店】さんも、同市で棕櫚(しゅろ)山育成のプロジェクトを立ち上げ、良質な棕櫚(しゅろ)の栽培に力を注がれているそうです。
また同社の商品は、職人さんが一つひとつ、繊細な技で丁寧に作られています。
「お客様が毎日安心して使用できるように。10年、20年と長くお役に立てるように。」
そんな職人さんの思いが込められた、
量産品には無い、オンリーワンの商品です。
そして、柔らかくてコシが強い棕櫚(しゅろ)の性質から、
しつこい油汚れ以外は、洗剤無しでも、
汚れをしっかり掻き出し、きれいに洗うことができる頼れる道具です。
丁寧に作られた自然素材の製品を長く使うこと。
使う側もいつの間にか、エコの輪に参加できている、
まさに地球に優しい商品とも言えますね。
あの茶色のイガイガ。
「固そうだし、ゴシゴシすると、洗ったものに細かい傷がつきそう」的な印象を
どうしても抱いてしまいますよね。
一見どれも同じに見える、あのイガイガ。
実は素材によって、使い道は大きく変わります。
100均やスーパーで気軽に買える安価なたわしのほとんどは、
「パーム(椰子の実の繊維)」という素材から作られており、
主に金属製品やタイル、布製の靴など、頑丈なものを洗うのが得意です。
ただ、パームの繊維は硬く、対象物を傷つけやすいため、
ガラスや漆器、プラスチックなどの傷つきやすいものを洗うには不向きです。
また、使い込むうちに繊維が折れたり剥がれたりし、
洗いカスが残りやすいというデメリットもあります。
たわしを使ってみたものの、
「傷つけたかも?」や「使いにくいな」と
感じて馴染めなかったのは、
使っていたたわしがパーム製だったからかもしれません。
一方、天然の棕櫚(しゅろ)で作られたものは、
パームたわしと比べて、少し高価にはなりますが、
使い心地はずいぶんと変わります。
棕櫚(しゅろ)の繊維は
毛先が細く柔らかいのに適度にしなる強さがあるので、
うつわやコップの表面を傷つけることなく、
汚れだけを掻き出し、すっきりと洗えます。
また、野菜の泥落としにも優れた力を発揮します。
野菜の表面を傷つけることなく泥だけを落とすので、
食物繊維やうまみを損なうこともありません。
【高田耕造商店】さんのたわしは、
多くの料理人がリピーターとなり愛用しているとのこと。
その品質の高さがうかがえます。
例えば棒状のたわし。
「しゅろのやさしいたわし 棒」
先が丸まっていて不思議な形をしていますね。
こんな風に、グラスやポット、ステンレスボトルのような、
深くて洗いにくく、茶渋が付きやすいものにうってつけです。
そしてこの知恵の輪のような形。
「しゅろのやさしいたわし ねじり」
このねじれがミソで、
手に取ると、掌のくぼみに丸みがすっぽり収まり、
くびれに指を添えることができるので、
とても握りやすく、扱いやすい形になっています。
棕櫚(しゅろ)なので、もちろん食器にも野菜にも。
たわし界のオールラウンダーです。
柄付きはいかがでしょう。
「しゅろのやさしいたわし 急須」
かわいらしいサイズです。
急須は間口が小さいうえに、注ぎ口が細いもの。
「洗いにくいったらありゃしない!」
そんな、イラッとする部分にもすいすい。
まるで痒い所に手が届く様に、
急須の底や細かい部分にも届きます。
アイディア次第で、他にも細かいものが洗えそう。
急須専用では勿体ない!
「しゅろのやさしいたわし コップ」
スポンジが届かずもどかしい、ロンググラスの底。
このような柄付きだと、たわしが底までちゃんと届きます。
グラス内でくるりと回すと、グラスを傷付けることなく、
汚れをきれいに掻き出してくれるわけです。
あまり見慣れない形ですが、
こちらは「しゅろのやさしいささら」
一本のステンレスで棕櫚(しゅろ)を締める「綴り(つづり)」と呼ばれる匠の技で仕上げられています。
繊維を束ねた平たい面の部分で洗います。テフロン加工のフライパンやお鍋などにも傷つけることなく使えます。
・力を入れずに軽く擦る様に使用する
・漂白剤や研磨剤を使用する場合、最後に必ず念入りに洗い流す。
・水分を切った後、つるして保管
・気になる場合は熱湯消&天日干し
上記のように、お手入れくださると、長持ちします。
いかがでしたか。
素材や形、大きさを用途に合わせてたわしを選べば、
その使い心地に「たわし、すごいじゃない!」とお感じになるはず!
台所で大活躍の棕櫚(しゅろ)製たわしですが、
衣類の汚れ落としや、テーブルのパンくず集めなど、
アイディア次第で色々な使い方ができるのも、やさしい素材ならでは。
そんな便利な棕櫚(しゅろ)製品を心地よく使うことで、
日々の暮らしが、エコ活動につながっている、って素敵ですよね。
ぜひ、お試しくださいね。
*ころはオンラインストア*
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