こんにちは。
うつわと道具や ころは です。
梅雨も明け、だんだんと夏らしい暑い日が多くなってきました。
こう暑い日々が続くと、夏の暑さを和らいでくれる「涼」を取りたくなりませんか?
清涼感あふれるガラスの食器とか、見るだけで涼しげで、爽やかな気分にしてくれますよね。
普段何気なく使っている“ガラス”ですが、皆さんは何で出来ているかご存知ですか?
今回のコラムは、意外と知らないガラスについてご紹介致します。
メソポタミアやエジプトで紀元前数千年ごろに誕生したといわれるガラスの主成分は、“珪砂(けいしゃ)”です。
珪砂は、花崗岩(かこうがん)が長い時間をかけて風化して粒状になったもの。
天然の珪砂には不純物も多く含まれているので、それを取り除いたものがガラスの原料となっています。
ですが、現在の全てのガラス製品が上記の過程で作られている訳ではありません。
実際の工房などでは、ガラス生地や再生ガラスが元になって作られていることも。
例えば、「吹きガラス」では、珪砂が以下の流れで作られ、ガラスになっていきます。
吹き竿と呼ばれる金属管の端にガラス生地を巻き付けて、息を吹き込んでふくらませて作る「吹きガラス」。
吹きガラスでは、「ソーダ石灰ガラス」が主原料となっています。
ソーダ石灰ガラスは、珪砂に炭酸ナトリウム・炭酸カルシウムなどを調合したもの。
ガラス生地や再生ガラスを溶解窯の中の坩堝(るつぼ)に入れ、1300~1400℃で溶かして使用されます。
こうして出来たものを原料として作られているんですね。
先ほどの項目でご紹介した「吹きガラス」は、数ある技法のうちの一つです。
ガラスの技法には大きく分けて2つあります。
ガラスを高温で溶かし、柔らかい状態で形成をする、ホットワーク。
冷えた状態で加工を行うコールドワークです。
細かな技法は主に、以下の分類に分けられます。
〇ホットワーク-吹きガラス、ホットキャスト、キルンワーク
〇コールドワーク-カットガラス、サンドブラスト、ガラスエッチング、ステンドグラス
技法の中には名前を聞いたことあるというものもいくつかあるのではないでしょうか。
今回は、当店の取り扱い作家さん“藤本 咲”さんが制作されている「キルンワーク」という技法について詳しくご紹介します。
キルンは窯という意味。
キルンワークは陶芸と同じように電気窯にガラス素材や耐熱素材の型などを入れて焼成して形成する技法です。
キルンワークには幾つかの方法があります。
粉状のガラスを耐火石膏で作った型に詰め、加熱する「パート・ド・ヴェール」。
二つのガラス素材を窯に入れて加熱してくっ付ける「フュージョン」。
耐火性の型を用いてガラスそのものの重力で型に合った形状のガラスを作る「スランピング」。
耐火型にガラス素材を敷き詰めて高温で熱して落とし込む「キャスティング」。
などの方法が代表的です。
藤本さんは作るものによって技法を使い分けていらっしゃいます。
特徴的なのは不透明で、一見陶器のようにも見えます。
しかし、持ってみるとひんやりと冷たくガラスらしさが伝わってきます。
また、光に透かしてみると見る場所によって色の見え方が変わるところが色ガラスの魅力です。
透明で冷たいイメージのガラスだけでなく、不透明でどこか温かみを感じるガラスも作ることができるガラスの世界はとても可能性を感じます。
様々なガラスを手にとってどういった技法で作られているのか考えてみるのも楽しいかもしれませんね。
【ころはオンラインストア】
当ショップでは、生活に寄り添った作家のうつわと道具を取り扱っています。
「作り手」と「使い手」を繋げる、そこでしか出会えない、そんな価値のある店を目指して営んでおります。
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