こんにちは。“ころは”店主のミキです。
前回のコラムでは、作家さんのうつわの「4つの魅力」についてご紹介致しました。
作家のうつわを持つことで、生活が楽しくなるということを理解して頂けたかと思います。
今回は、3つ目の魅力についてご紹介した“自分だけのうつわを育てる”について深掘りしてみたいと思います。
いわゆる“経年変化”。
どの様な変化が起こるのか?について例も入れてご紹介致します。
陶器の中には、使っていくうちに色合いが変化してくる器があります。
これは、“経年変化”と呼ばれている現象です。
年月が経つうちに製品の品質・性能が変化すること。
特に、摩耗・腐食などで性能が劣化すること。
また、時間の経過とともに住居が損耗すること。
出典:goo辞書【経年変化】
経年変化が楽しめる代表的な素材は、革製品ではないでしょうか?
革製品は、時間がたつにつれツヤが増して、色みが深くなったりしますよね。
「おしゃれな風合いになる過程を楽しむ!」ことが一般的になっていると思います。
素材によって状態が変化する革製品と同じように、うつわも陶土や技法によっても経年変化が異なります。
また、陶器は毎日の食生活の中で経年変化を楽しむことになります。
スープやカレーなど、作る料理によっても変化の違いが出るので、とても面白いと感じますよね。
陶土を素材とする陶器は、素地と釉薬の収縮率の違いによる貫入が発生します。
この貫入から水分や油分が入り込むと、シミとなってうつわが変化していきます。
なので、使い方次第でうつわが育っていくということなんですね。
例① ~粉引きのカレー皿~
こちらは、元々は薄い黄色の化粧土が掛けられた粉引きのカレー皿です。
使い込んでいくうちに、カレーのルーの色が染みこんで、うつわの色が濃くなっています。
特に土味を残した質感は、表面の粒子が粗い状態なので吸水しやすくなっています。
使い込んでいくと変化が見られやすいうつわですね。
[before]
↓
[after]
例② ~貫入の入ったマグカップ~
こちらは、表面に貫入が入っているマグカップです。
コーヒーや紅茶を入れて使っていると外側にはあまり変化が見られませんが、内側の貫入の部分に茶色い色が入っています。
長年使い続けていくと外側にも貫入模様がはっきりとみられるようになりそうですね。
[before]
↓
[after]
いかがでしたか?
使っていくうちに、こんなに変化し、深い味わいになってくるんですね。
新しいうつわも良いですが、経年変化したうつわも素敵です。
世界に一つしかないお皿に育っていくので、とても愛着がわいてきますね。