こんにちは。
うつわと道具や ころは です。
うつわについて話をしていると、釉薬の話題になることはありませんか?
よく聞く名前ではありますが、実際はどういう役割があるのかご存知です?
釉薬(ゆうやく)とは、陶磁器の表面を覆うガラス質の膜のこと。
「うわぐすり」と呼ばれることもあります。
ガラス質の膜といわれても、いまいちピンと来ない…。
今回は、そんな方に釉薬について詳しくご説明致します。
前述でもご説明しましたが、釉薬とは陶磁器の表面を覆うガラス質の膜のことを指します。
自然の鉱物を原料とする釉薬は、焼成するとガラス質に変化します。
これを表面にかけて焼くため、陶磁器は吸水性が少なく、傷つきにくく、汚れがつきにくいんです。
色合いもたくさんあるので、装飾としての役割もある、陶芸には重要なものです。
以前にもご紹介した「貫入(かんにゅう)」のヒビも、釉薬による装飾の一種といえますね。
また、備前焼のように、釉薬を使用せずに焼き上げる“焼き締め”という技法があります。
では、「釉薬を使わないから傷つき易いのか?」と思われる方もいるかもしれませんね。
備前焼は、釉薬を用いなくても水が漏れないという特徴がある土を使っているので問題ないんですよ。
釉薬を使っていないので、土の素朴な風合いを感じられるうつわですよね。
釉薬を使用する、しないによって、デザインも大きく変わります。
その点も含めて、釉薬を見てみると面白いですよ!
釉薬には様々な種類があり、それぞれの特徴があります。
比較的、有名な釉薬のご紹介します。
〇透明釉(とうめいゆう)
艶のある無色透明の釉薬です。
素地の色を生かした仕上がりになります。
主に磁器土に使われることが多いです。
陶土でも下地の土の色や質感を生かすことが出来るので様々なうつわに使われる一般的な釉薬です。
〇 灰釉(はいゆう・かいゆう)
木や草を焼いた灰で作った、最も古くからある基本の釉薬です。
灰の原料によって、乳白色から淡青緑、黄褐色など、様々に発色します。
濃く掛かった部分に灰に含まれる鉄分が発色したり、ムラが出たり、貫入が入ったりと、同じ釉薬でも一つ一つ表情の違う味わいのあるうつわに仕上がります。
〇織部釉(おりべゆう)
銅を加えることで緑色に発色する釉薬です。
茶の湯が盛んだった17世紀ごろに美濃(岐阜県)で作られた織部焼(おりべやき)が名前の由来となっています。
また、織部釉は酸素を取り込んで焼成(酸化焼成)した場合、緑色になりますが、
これを辰砂釉(しんしゃゆう)と呼びます。
〇 青磁釉(せいじゆう)
酸欠状態で焼く(還元焼成)ことで、灰に含まれる微量の酸化鉄が、淡い青緑色に発色します。
「青磁」というと、磁器土で作られたものを指しますが、「青磁釉」は還元焼成をすると青くなる釉薬として、陶土に使われることもあります。
また、逆に酸素を取り込んで焼く(酸化焼成)と黄色に発色します。
〇 飴釉(あめゆう)
鉄分が主成分の、茶褐色の飴色に焼き上がる釉薬です。
鉄分の多い釉薬を、酸素を充分に供給しながら焼くことで、飴色に発色します。
今回ご紹介した釉薬の種類は、ごくごく一部です。
お持ちのうつわを手に取って、どんな釉薬が使われているのか調べてみるのも楽しいです。
また、うつわを指で支えて釉薬を掛けると、指の跡が残る場合があります。
指の跡を消してしまうことも多いですが、手作業の後を探してみるのも面白いですよ。
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